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区議会第3回定例会本会議(9月22日)において一般質問を行いました。以下にその内容を記載します。
1 能登半島地震を踏まえた、防災対策・かわまちづくり計画について | |
(1) 地域防災計画の反映について | |
【質問】 | 今回の改定される板橋区地域防災計画では、能登半島地震の教訓を生かせる計画にするのか、あるいは反映が難しいため、通常の改定となるのか、区の認識は。 |
【答弁】 | 東京都が10年ぶりに見直した首都直下地震等による東京の被害想定に基づいて、板橋区地域防災計画を3月末に改定する予定。新たな被害想定では、区内の一部地域の最大震度は、震度6強から震度7に引き上げられている。今回の能登半島地震では、一部の地域で震度7を観測しているが、このクラスの地震にも十分対応できる地域防災計画となっている。 |
(2) 防災対策の強化について | |
【質問】 | 震度7クラスの地震への対策を取りながら、様々な防災対策の強化が求められると考えている。そのような意味で伺うが、令和6年度の予算では、具体的にどのようなものに対し対策の強化などの反映がなされているのか。 |
【答弁】 | 令和6年度の危機管理部の予算案は、防災対策の強化をめざしていたものであり、令和5年度と比較して約2億3,000万円の増、率にして約42%の増となっている。当初予算プレス発表資料に記載している地区別防災マニュアルの改定、避難所看板及び浸水深表示の設置、大規模物流施設関係の3項目で、約7,600万円の増となっている。また、東京都と区の合同総合防災訓練で約3,400万円の増、DX戦略に基づく防災支援システム等の更新で約7,600万円などが主な増の要因で、重点的に取り組む内容である。 |
(3) 感震ブレーカーの設置支援について | |
【質問】 | 感震ブレーカーの設置支援について、輪島の大規模火災を踏まえた上で、現時点での検討状況及び方向性について、区の見解は。 |
【答弁】 | 今回の能登半島地震を踏まえると、現時点では、感震ブレーカーの設置は、木造住宅密集地域を優先すべきであると考えている。また、感震ブレーカーについては、東京都が配布した種類に限定せず、区民の多様な設置要望に対応できるよう、いくつかのタイプを検討している。現時点で、東京都の感震ブレーカー配布事業における板橋区の配布実績等が明らかになっていないため、今後、東京都事業の効果などを検証した上で、最も効果的な支援制度の構築に向け、スピード感を持って検討していく。 |
(4) 避難所設置看板の表示について | |
【質問】 | 区で全戸配布している防災ガイド・ハザードマップの避難所一覧には、ナンバー1から87までの番号が振ってある。この番号を避難所設置看板に盛り込むことを求めるが、区の見解は。 |
【答弁】 | 令和6年度には、全ての指定避難所に、全国統一基準によるピクトグラムを使用して、旅行者や外国人などにも分かりやすい看板になるよう変更して再設置をする。ご提案のとおり、防災ガイド・ハザードマップの避難所一覧の番号を、新たな避難所看板に表示していきたいと考えている。 |
(5) 基本構想の策定理由について | |
【質問】 | かわまちづくり計画は、地域防災力の向上や荒川河川敷の利活用を目的としたもので、令和3年8月に、国のかわまちづくり支援制度に登録をされている。既に登録されている計画について、今回改めて基本構想を策定した理由は。 |
【答弁】 | 板橋区かわまちづくり計画については、水害対策への喫緊の課題として、区民の命を守るために、防災対策を中心に進めてきた。一方で、にぎわいづくりについては、プロムナードや親水広場を造る程度にとどまる計画であった。新河岸陸上競技場と荒川の堤防をつなぐ連絡通路の整備である第1期計画の工事着手のめどが立ったため、改めてにぎわい創出をさらに推進する方向性を示すために、基本構想を策定したものである。 |
(6) 荒川河川敷浸水のリスクについて | |
【質問】 | 荒川は10年に1回は河川敷が浸水しているのではないかと思っている。そのたびに、河川敷施設の野球場やサッカー場などの復旧工事が行われており、このような場所に、にぎわいづくりのためとはいえ、新たなものを整備することはリスクがあると思うが、区の見解は。 |
【答弁】 | 荒川河川敷の浸水履歴を荒川下流河川事務所に確認したところ、直近30年間では3回、板橋区内の荒川河川敷が浸水したという記録を確認できたとのことである。一方で、浸水していない期間については、極度に都市化された板橋区内にありまして、残された貴重な空間として、自然に触れ合える場、レクリエーションを楽しめる場、防災の活用など、多目的な利活用も求められているところである。ご指摘のように、浸水する可能性があることを十分に踏まえつつ、荒川下流河川事務所の知見もいただきながら、浸水リスクにも対応できる可動式コンテナの活用などを検討した上で、かわまちづくり基本計画で詳細な整備内容を決定していく予定である。 |
【質問】 | 記憶に新しいところで、2019年は9月に台風15号が房総半島に接近をした。10月には、19号の東日本台風が上陸をした。このように、約1か月の間に2度大きな被害をもたらす台風が荒川を襲うことも想定をされる。そこで、かわまちづくりで設置をされるコンテナ型施設を含め、荒川河川敷の撤去を短期間で2回行う場合、そして元に戻すわけなので、経費的にはどのぐらいの費用がかかると見積もっているのか、区の認識は。 |
【答弁】 | 荒川河川敷の整備については、浸水の可能性があることを踏まえ、可能な限り、浸水時の費用負担を抑えることができるよう、荒川下流河川事務所の知見や全国での事例を踏まえつつ、今後検討していく予定である。そのため、現時点では施設の撤去及び復旧の具体的な経費については算出をしていないが、ご指摘の点を含めまして、基本計画を策定する過程において検討していきたいと考えている。 |
(7) 区民や議会の意見について | |
【質問】 | 令和6年度に策定する予定のかわまちづくり基本計画については、議会や区民の意見をしっかりと踏まえて作成すべきと考えるが、区の認識は。 |
【答弁】 | かわまちづくり基本構想については、令和3年にかわまちづくり支援制度の登録を受け、区議会に報告した内容と大きな方向性としては変わらないものの、にぎわいの創出の方向性を、イメージ図などでより明確に打ち出したものとなっている。詳細な内容については、令和6年度に策定するかわまちづくり基本計画で定めていく。基本計画の策定に当たっては、中間報告などの機会を捉えまして、区議会に報告するとともに、地域住民の代表などで構成されるかわまちづくり協議会の意見もしっかりと伺っていきたいと考えている。 |
(8) かわまちづくり計画の組織について | |
【質問】 | 高島平グランドデザインの場合と異なり、一つの部が設置されるということについて、またなぜこのようにあっという間に組織が立ち上がるのか、説明を。 |
【答弁】 | かわまちづくり計画については、区の単独事業ではないので、国土交通省、荒川下流河川事務所との協働事業である。荒川下流河川事務所には、かわまちづくり計画に関わる担当の課長がいるが、令和5年度の途中から、荒川下流河川事務所の副所長をトップに、板橋区かわまちづくり計画を推進するための検討組織を立ち上げている。荒川下流河川事務所の全面的なバックアップ体制に、区としても、応えていくこと、またかわまちづくり計画という国の協働事業を推進したいという思いから、時限組織として、かわまちづくり計画、かわまちづくり担当部長などの組織を設置することとした。今後も、区議会や地域住民のみなさまの意見、また要望を伺いながら、荒川下流河川事務所と協働しながら、かわまちづくり計画の推進をしていきたいと考えている。 |
2 本庁舎周辺施設の再整備について | |
(1) 施設のあり方の方向性について | |
【質問】 | 本庁舎北館・情報処理センター・グリーンホール及び文化会館について、長期的な視点に立った施設の在り方、例えばこれから何年後に改築を行うなどの明確な方向性が出されているか。 |
【答弁】 | 本庁舎北館については、令和2年に本庁舎北館長寿命化改修整備方針というものを定め、そこでは長寿命化改修を令和9年度を目途に実施するとしているが、具体的な実施時期については再検討の必要があるというふうに、今の段階では考えている。また、文化会館については、昨年6月に区議会へ報告した文化会館・グリーンホールの在り方検討の結果報告、この中で、改築・改修は早くとも令和15年度以降に実施する前提で検討していくこととしている。グリーンホール及び情報処理センターについては、令和6年度から旧保健所跡地の整備構想計画を検討していく中で、順次活用の再整備を計画化していく考えであり、北館、文化会館を含めた本庁舎周辺の公共施設に係る整備の方向性については、次期基本計画において示すことができるものと考えている。 |
(2) 現保健所のICT化への対応や執務室の広さについて | |
【質問】 | 約4年間のコロナ禍で、職場のICT化がさらに進んだものと思うが、聞くところによると、東京都や医療機関と保健所との連絡は、紙のファクスが主力となっていたようである。また、感染者が爆発的に増える中で、区の各職場に配属された保健師の職員を保健所に集めて、連絡対応等に対処せざるを得ない中で、職場の広さは十分だったのか、甚だ疑問に感じるところである。現保健所のICT化への対応や執務室の広さについて、コロナ禍の中で十分だったと言えるのか、区の認識は。 |
【答弁】 | 保健所のICT化についてです。新型コロナウイルス感染症発生によって、厚生労働省は感染症法を改正して、都道府県を経由する体制をつくり、感染者数の増加に対応するため、新型コロナウイルス感染者等情報把握管理システムを構築しまして、全国統一で導入がされた。これにより、発生届の提出がオンライン化され、迅速かつ効率的な運用が可能となり、板橋区も含め、全国レベルで保健所のICT化が進んだ。また現在、会議などもウェブが中心となっており、対応機器や通信環境の充実が必要となっている。 次に、執務室の広さについて、新型コロナウイルス感染症発生からしばらくは、区職員の保健師や看護師等の専門職兼務により、動員して対応に当たった。感染症業務を止めることなく、動員した職員の執務スペースを確保するため、生活衛生課の執務スペースを保健所の上層階に移動するなどして、保健所建物内に、新型コロナウイルス感染症に対応する執務スペースを確保した。しかし、感染拡大による膨大な事務の発生に加え、新型コロナワクチン接種事業の対応も加わったことから、早急に全庁的な応援体制が必要となり、執務スペースの不足を解消するため、通信環境と必要な設備がある本庁舎の災害対策ポンプ室を活用して執務に当たった。今回の新型コロナウイルス感染症対応の教訓を踏まえると、現保健所の執務室の広さに関して課題も見受けられたため、保健所の緊急対応を想定し、感染拡大時の執務スペースの確保を検討していく必要があると考えている。 |
(3) 保健所機能の移転について | |
【質問】 | 旧保健所跡地に情報通信ネットワークを構築し、オフィスオートメーションやテレコミュニケーションに対応できる講堂、情報化ビルを建設し、そこに現在の保健所機能を移転させることで、今後新たな感染症が蔓延した際の対応拠点とすることを提案するが、区の見解は。 |
【答弁】 | 今般策定した旧保健所跡地の活用方針では、駅から徒歩1分の商業地域にある立地、それから進展するまちづくりを踏まえて、区内へ交流と定住を呼び込む有効活用の方向性を示した。一方、ご指摘の現在の保健所、施設面で課題を抱えていることも認識しており、コロナ禍における教訓も踏まえて、ハード・ソフトの両面で、新たな感染症に対応できる危機管理体制は備えていかなければならないものと考えている。本庁舎周辺の公共施設の再整備を検討していく中で、保健所に求められる機能、新たな感染症に対応できる体制の確保も含め、修繕・改修等による課題解決の可能性についても追及していきたいというふうに考えている。 |
(4) 保健所の活用方法について | |
【質問】 | グリーンホールの機能を、今の保健所が空いたスペースに移転することを提案する。グリーンホールの延べ面積は4,717平米である。板橋福祉事務所の機能も含んでいる。現在の保健所の延べ床面積は、3,784平米で1,000平米ほど足りなくなるが、この分は旧保健所跡地に建設された建物の6,318平米に、会議室という形で機能を分散させることで賄うことが可能となる。平時はグリーンホールの機能の一つである会議室として使用し、有事の際は、会議室から感染症対策の執務室へ転用することも、高度情報化ビルなら可能であると考えるが、区の見解は。 |
【答弁】 | グリーンホールの今後については、在り方検討の結果報告の中で示した方向に沿って、今後策定する旧保健所跡地の活用方針に基づく整備構想計画を踏まえて検討していく予定である。ご提案いただいた新たな感染症の蔓延など、そういった有事の際に、会議室等を緊急課題の解決に向けて転用できる可能性も視野に入れて、コロナ禍の教訓を踏まえながら検討していく。 |
(5) グリーンホールの移転と板橋第一中学校の改築について | |
【質問】 | 板橋第一中学校を今後改築するとした場合に、グリーンホールの機能を移転させて、空いたスペースを板橋第一中学校の仮校舎として使用することを提案するが、区として使用の可否についての認識は。 |
【答弁】 | 用途、設備、構造などのほか、必要となる教室等の諸室、良好な学習環境を確保できるか、実際にどの程度の改修規模になるのか、費用対効果も含め、具体的に検討する必要があろうかと思っている。板橋第一中学校については、次期基本計画の期間内において、改築の方向性で計画化していく予定であり、グリーンホールの活用についても、並行して検討できればというふうに思っている。 |
(6) 板橋第一中学校とグリーンホールの複合施設について | |
【質問】 | グリーンホールの敷地を学校の敷地と一体化し、学校の校舎とグリーンホールを複合施設として合築することは可能か。低層階は学校、上層階はグリーンホールとなるが、一方で、間を通っている千川上水は切り回しをする前提として、区の見解を伺う。 |
【答弁】 | 提案された内容のうちの千川上水の切り回しについては、地下に埋設している上水道管の課題があり、グリーンホールの敷地と学校敷地を一体で活用することは、現時点では難しいと考えている。一方で、学校とグリーンホールを合築することの可否については、文化芸術・多文化共生まちづくりとの連携による教育環境や情操教育に期待される効果、複合化による費用を十分検討した上で判断する必要があるというふうに考えている。 |
(7) 文化会館とグリーンホールの統合について | |
【質問】 | 文化会館の敷地に最大規模の建物を建てると1万7,380平米となり、現在より約3,000平米大きくなるとのことである。その増える部分をグリーンホールの会議室に充てて、大ホールと小ホールは共用することを提案するが、区の見解は。 |
【答弁】 | 文化会館については、在り方検討の結果を踏まえて、文化芸術活動の拠点として、機能、環境の充実を図っていく必要があると認識している。グリーンホールの機能との統合、集約化に係る提案だが、文化会館の改築する際の参考として、今後の検討に生かしていきたいというふうに思っている。 |
(8) 旧保健所跡地の容積率について | |
【質問】 | 私は、本庁舎周辺施設の再整備についてのキーポイントは、いわゆる旧保健所跡地に、今後どのくらいのどのような建物が建てられるのかが重要であると考えている。再び区の資料を引用するが、旧保健所跡地の建蔽率は100%、容積率は480%となっている。用途地域図を見ると、この一帯は容積率600%とされているが、この違いはなぜ起きているのか。 |
【答弁】 | 旧保健所跡地の用途地域だが、商業地域であり、指定容積率は600%である。しかし、建築基準法に基づくと、前面道路の幅員による容積率の制限を受けることになり、旧保健所跡地が接している道路の幅員が8メートルなので、この場合の容積率が最大480となっているところである。 |
(9) 旧保健所跡地への最大容積率適用について | |
【質問】 | この地域の最大値である容積率600%を適用されるためには、どのような方策があるのか。例えば、新たに近隣の土地を購入するとか、前面道路からセットバックをするとか、いろいろな事例を耳にするが、区の見解は。 |
【答弁】 | 指定容積率とした600%を適用するためには、10メートル以上の幅員がある道路に接する必要がある。当該敷地のみセットバックをして、前面道路の幅員を10メートル以上にするということは難しいため、可能性としては、用地の取得等により、中山道または区役所本庁舎前の道路に接するまで敷地を拡大すれば、適用が受けられる。 |
(10) 延床面積と北館長寿命化改修について | |
【質問】 | この旧保健所跡地に最大規模の建物を建てることができるならば、近隣施設の様相は大きく変わってくる。また、この北館についても、間もなく40年が経過をしようとしており、大規模改修が必要とされる時期に差しかかってきている。その際には、この建物の延べ床面積の大きさによって、北館改修の代替施設として進捗管理が大きく変わるものと考えるが、区の見解は。 |
【答弁】 | 本庁舎北館の長寿命改修に向けては、本庁舎機能の再配置または仮移転先の確保というものが課題となっている。改修自体のスケジュールに影響が、旧保健所跡地に建てる建物に影響を受けている、大きく受けるものと認識している。旧保健所跡地の活用方針においても、この課題を念頭に有効活用を検討していく考え方を示しているところであるが、旧保健所跡地のみならず、グリーンホールや情報処理センターの今後も視野に検討していきたいと考えている。 |
(11) 情報処理センターの長寿命化改修について | |
【質問】 | 情報処理センターの空調設備は現在行っているということを聞いているが、内外装の部分の改善や長寿命化工事はいつ頃実施されるつもりなのか。 |
【答弁】 | 情報処理センターについては、空調設備の更新など適宜、老朽化に伴う維持改修等を実施しているところではあるが、内外装や長寿命化改修の時期については、現時点では未定である。旧保健所跡地の整備計画を策定していく中で、情報処理センターの活用についても併せて検討していく予定であり、その中で改修等が必要になれば、その時期も含めて適切に対応していく予定である。 |
(12) 本庁舎北館改修時情報処理センターの位置付けについて | |
【質問】 | 北館改修における情報処理センターの位置づけについて、本庁舎部局の仮移転先としての可能性に関する区の見解は。 |
【答弁】 | 本庁舎北館の長寿命化改修を実施する場合には、来庁者の問題、それから執務環境への影響を最小限に抑えるために、周辺に適切な仮移転先を確保する必要がある。情報処理センターも含む本庁舎周辺の公共施設は、その検討対象になり得るものというふうに考えている。 |