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《令和2年第1回定例会予算総括質問》

区議会第1回定例会予算審査特別委員会(3月17日)において当初総括質問を行いました。以下にその内容を記載します。また詳細な議事録はこちらです(PDFファイルが開きます)。

1  令和2年度の予算について
(1) 基準財政収入額・基準財政需要額について
【質問】 都区財政調整制度における基準財政収入額と基準財政需要額の定義は。
【答弁】

基準財政収入額は、基準財政需要額に充てられる各特別区の一般財源収入額を一定の基 準で算定し見込んだものをいう。 基準財政需要額は各特別区が標準水準で行政を行う場合に必要な経費のうち、国庫支出金 等の特定財源を充てる分を除き、一般財源で賄うべき額を人口や面積などに基づき一定の基 準により算出したものをいう。

(2) 財政調整交付金普通交付金への影響について
【質問】 財政調整財源が一定の場合、普通交付金への影響はないと考えてよいか。
【答弁】 令和2年度は、調整税額の総額が1150億円を超える大幅な減収となる見込みのため、板橋区の普通交付金も40億円の減額見込みとなった。
(3) 都区財政調整制度について
【質問】 都区財政調整制度について、特別区の行政需要の実態とは全く関係性がないのではないか。
【答弁】 特別区交付金については、都が行う算定内容、基準が不透明であることから、必ずしも各区の実態を反映されているとはいえない。特別区としては、普通交付金による算定を優先すべきとして、特別区交付金の割合を現行の5%から2&に見直すよう主張している。
(4) 都区財政調整制度の配分割合について
【質問】 今後の都区財政調整制度あり方として、具体的な配分割合も含めどのように考えるか。
【答弁】 特別区の主張する55.26%とは乖離があるものの、今回は特例的な対応として配分割合を55.1%とすること、また、配分割合についても継続して協議することで整理した。その規模も考え方も区側の主張とは依然として大きなかい離があるが、都が特別区の主張に沿って配分割合の変更に踏み込んだことは前進であると捉えている。
2  防災について
(1) 情報伝達手段の課題について
【質問】 区として様々な情報伝達手段を構築されてきたと思うが、この観点からどのような具体的な課題が見えてきたか。見解は。
【答弁】 防災行政無線については、暴風雨の影響で聞き取りにくかったことや、放送内容を聴き直すことができる、電話応答サービスがつながりにくかったとの声があった。今回の経験より、マイナス要素や、他の情報伝達手段について、更なる周知を図ることが大きな課題であると認識している。
(2) 区のホームページの改善点について
【質問】 台風19号時に、区のホームページの画面展開が遅かったが、出水期に向けて改善点はあるか。
【答弁】

災害時の繋がりにくい状況の改善策は、コンテンツデリバリーネットワーク(CDN)を導入し、サーバーへの負荷分散を図ることで、配信環境を安定させ、緊急情報を確実に伝達しやすくした。また、災害時には、データを軽量化した災害モードに切り替え、画面展開の円滑化を図り、緊急情報をわかりやすく提供していく。

(3) 電話応対サービス改善策について
【質問】 台風19号の際には、繋がりにくい状況であったが、電話応対サービスの回線補強と改善策についてどのように考えるか。
【答弁】

電話応答サービスについては、16回線から32回線に拡充することとしている。これにより、繋がりやすさの改善が図られるが、防災行政無線は雨音等の大きい豪雨時に聞き取りにくいことや、発信できる情報量が限られているため、他の情報媒体の認知度を高めることも重要と認識している。

(4) 防災無線内容のホームページ掲載について
【質問】 防災無線の放送内容は、区ホームページに記載されているが、当該ページには令和元年7月の参院選挙の内容のみしか表示されていない。台風19号関連の放送内容はどこに表示されているのか。
【答弁】 台風19号接近の際に、防災行政無線を用いて発信した内容については、当時運用していた災害モード内に、別ページとして設けた「台風19号による区の対応状況・被害状況」の中に掲載していたが、現在は閲覧できる状況にはなっていない。今後は、後日の確認ができるよう、掲載場所や記載について工夫を行い、別ページに防災行政無線の放送内容を掲載する場合は、リンクを貼るなどの改善を図っていく。
(5) 高齢者への情報伝達について
【質問】 台風19号では、高齢者への情報伝達が大きな課題となったと思うが、スマートフォンやインターネットが使用できない高齢者に対する情報伝達についてはどのような伝達策を考えているか。
【答弁】

区では様々な情報伝達手段を活用しているが、インターネットやメールによる情報収集が難しい高齢者への伝達は大きな課題と考えている。その中でも、テレビは高齢者への普及率が高いため、テレビのデータ放送による区の防災情報の取得を今後進めたいと考えている。

(6) 町会・自治会への情報提供について
【質問】 避難所開設情報を町会・自治会長に流すべきであったと考えるが、今後の改善策は。
【答弁】

台風19号の際、町会・自治会長への情報伝達手段については、防災緊急メールやホームページなどの一般的な方法のみであったことから、より確実な情報伝達を求める声をいただいた。今回の経験を踏まえ、町会・自治会長への災害時の情報伝達手段については、地域センターなどとも連携し、より迅速で確実な方法に見直すことを検討している。

(7) 共助の取組み強化に関する区の認識について
【質問】 住民の力による情報共有や避難所運営は、共助の具体化の一つであり、区としても取組みを強化すべき。区の認識は。
【答弁】

避難行動要支援者に対する安否確認や避難支援など、近隣の方々が助け合う共助については、命を守る行動をとるうえで非常に重要な要素と認識している。個々の住民防災組織が実施している避難所開設訓練や各種防災訓練の支援を通じた、共助の関係強化を引き続き進めるほか、共助の中心となる住民防災組織との連携強化策を検討していく。

(8) ペット同行避難の事前周知について
【質問】 台風19号が発生した時点での区のホームページには、ペット同行避難についてどのように記載がなされていたか。
【答弁】

台風19号発生時点では、避難所運営マニュアルや防災ガイドブック内の記載による周知に留まっており、必ずしも伝わりやすいものとは言えなかった。現在は特設ページを設け避難所でのペット受入れをはじめ、日頃からの備えとして、しつけ・ペット用品の備蓄・預け先の確保などについて周知・啓発を行っている。

(9) ペットのスペース確保にあたっての課題について
【質問】

想定では、地震時に校庭などにテントを張り、動物のスペースを確保するとのことだが、今回の台風19号の場合は、雨風が強い中で外にスペースを設けることはできず、校舎内にペットのスペースを確保したと考えるが、建物内にスペースを確保するに当たっての課題は。

【答弁】

避難所におけるペットの受入れについては、屋外にテントを張りスペースを確保すると決めていたが、屋外での確保が困難である風水害時については明確にしていない。このため、ペットの受入れ場所を現場の判断に委ねており、避難所職員が対応に苦慮したほか、避難所によって対応に違いがあるなどが課題であると認識している。

(10) ペット同行避難における区民からの意見について
【質問】

飼い主からみると、犬や猫などのペットは、家族同然として日々過ごしているため、いざ災害が発生したとしても、家族であるペットと共に避難をし、共に避難生活を過ごしたいと思われることは、当たり前であると感じている。一方で、動物の毛などからアレルギー反応を引き起こしてしまうなど、人の居住スペースとペットのスペースを分けて設けることが必要である。台風19号が通過した後、区にはペット同行避難についてどのような意見が寄せられたのか、見解は。

【答弁】

ペット同行避難に関する意見については、台風接近中には、同行避難自体が可能なのか、また避難した際のペットの居場所はどこなのかなどの質問があった。一方、動物アレルギーのある区民から、ペットがいると避難できないので受け入れないでほしいとの意見があったほか、人のスペースを優先して確保してほしいという意見もあった。このような意見からも、ペットの飼い主、また、様々な事情があって動物が苦手な方など、双方に配慮した避難所運営の重要性を強く再認識した。

(11) 児童・生徒の動物アレルギー発症について
【質問】

台風19号は学校が休みである土曜、日曜に接近をし、避難所の開設も日曜日には終了し、学校は連休明けの火曜日から通常どおり開始することとなったが、ペットの避難スペースを確保するために教室を使用したことにより、週明けの授業開始時などに児童・生徒の中で動物アレルギーを発症した例があったか。見解は。

【答弁】

台風19号の際は、飼い主と共に避難してきたペットを昇降口や校舎内の廊下などで受け入れたが、避難された方とほかの方の距離を保つなど、一定の配慮を行ったことから、その現場で動物アレルギーを発症した避難者はいなかった。また、避難所を閉鎖する際には、清掃を入念に行い、教育委員会から動物アレルギーを後日発症した児童や生徒はいないという報告を受けている。

(12) 出水期に向けた新たな対応策について
【質問】 今年もまた台風シーズンが来ることになると思うが、区として出水期に向けた新たな対応など、決意を含め、見解を。
【答弁】

令和2年の台風シーズンに向けた対応としては、まずは避難所の発電環境の充実、あるいはWi-fiを活用した通信環境の整備による、避難所施設の質を高めたいと考えている。また、区民一人ひとりの防災意識の向上を目指し、災害時の情報収集方法について、区民へのさらなる浸透を図っていく。また、避難所を従前より早い段階で開設するとともに、想定される風水害の規模に応じ、事前に開設する避難所を明確化することで、区民に早めの避難行動を呼びかける体制を整備していく。

3  高島平地域グランドデザインについて
(1) 高島平団地のストック再生の方向性について
【質問】 UR都市機構は平成30年12月に、UR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョンを発表した。このビジョンは、少子高齢化と人口減少が急速に進展する社会環境の中、URが保有する賃貸住宅のストックを将来にわたって国民共有の貴重な地域資源として活用していくことを目的とし、令和元年度から令和15年度までの15年間をスパンとしたUR賃貸ストックの活用・再生の方向性を示したものである。また、このビジョンの中では、高島平団地についてはストック再生を行っていくという方向性が示されている。このビジョンが策定された背景としては、URが保有する賃貸住宅ストックは、昭和40年代に管理を開始した団地など、その多くが管理開始から40年以上経過することになり、居住されている方々の年齢構成やライフスタイルの変化への対応が課題とされていることが挙げられている。そこで、このビジョンの中に示されているストック再生とは、建て替え、集約、用途転換、改善という4点が再生手法として記載をされているが、高島平団地はこの4点の中で今後どのような方向性となるのか。建て替えということでよいのか。見解は。
【答弁】 平成30年12月のUR都市機構による「UR賃貸住宅ストック活用・再生ビジョン策定」についての高島平団地の各住戸やテナントに対する広報に際し、区にも事業説明があった。その際の説明では、団地の一部について建て替えも含めた再生手法を検討すると聞いている。その詳細については、UR都市機構からまだ発表がされていない段階であるため、今後、UR都市機構と都の連携、調整に際し、建て替えの具体的な内容や時期について情報の共有化を図っていく。
(2) 旧高七小跡地周辺の種地活用の可能性について
【質問】 旧高七小跡地周辺がURストック再生に伴う団地建て替えの種地になる可能性については、過去にもUDCTak案として示している。また、令和元年6月11日の都市建設委員会における質疑の中で、我が会派の佐々木議員の質問に対して担当課長は、この土地がUR都市機構の建て替えに伴う種地という点について一つの案であるとして、否定をしていない。否定をしていないということは、旧高七小跡地周辺がURの団地再生に向けた種地の候補になるという点において、一定程度の可能性があると考えるが、見解は。
【答弁】

旧高七小跡地の活用によりまして連鎖的な都市再生を図ることで、理想的な街並み形成が図れるなど、様々な可能性が考えられる。UR都市機構とは、連携を図りながらまちづくりを相互的に進めるため、今後の検討事項につきまして定めた覚書を昨年12月に取り交わした。今後、高七小周辺の工業用地を有効活用することで、戦略的に都市全体をデザインしていく。

(3) 区有地の活用方針の決定時期と実施計画の位置づけについて
【質問】 「高島平地域都市再生実施計画」について、区は、今定例会の都市建設委員会でこの計画の進捗状況などの報告を行ったが、まずはこの実施計画の位置づけを確認したい。今、旧高七小跡地について質疑をしてきたが、やっと具体的な方向性が出されるかと期待するところであるが、この実施計画の位置づけは。
【答弁】

「高島平地域都市再生実施計画」は、高島平地域グランドデザイン策定以降の社会情勢の変化等を踏まえた時点修正と、具体的に市街地整備の内容を示すことによって、用途地域等の変更や地区計画の導入に向けた都市計画の指針とすることを考えている。旧高七小跡地周辺区有地の活用方針については、今後UR都市機構などと意見交換を行い、3年程度で策定を進める都市再生実施計画と併せて、高七小跡地の活用等の方針も決定していく。

(4) 高島平都市再生実施計画が示す内容について
【質問】 都市建設委員会で配布される資料には、最初に、計画策定の背景と目的が記載をされており、そこには「具体的に市街地整備の内容を示し、地区計画などまちづくりに際する都市計画の指針として、高島平地域都市再生実施計画を策定するものである。」と示されている。名称の末尾が再生実施計画となっているので、高島平再生に向けた具体的なアクションプランが出てくるものと認識をしているが、No.1実現プラン2021のように、3か年の中で具体的な事業をどこまで実施すると明確にする実施計画にあたると認識してよいのか。見解は。
【答弁】

都市再生実施計画は、具体的な市街地整備の内容を示すことにより、地区計画などまちづくりに際する都市計画の指針とすることを目的としている。この計画は指針だが、計画に実効性を持たせるために、特に高島平グランドデザインで示した第1期に当たる令和7年までは、その後の事業化に向けた道筋を含めた内容とスケジュールを可能な限り具体的に示していく。

(5) 高島平都市再生実施計画の策定スケジュールについて
【質問】 作成スケジュールを見ると、素案の作成が令和2年10月から1月までと示されているが、原案の作成は、令和3年4月以降と随分と先の計画となっている。令和3年となると、高島平グランドデザイン第1期10年間の6年目の年であるが、10年間のうちの6年ということは、第1期の計画期間である10年間の3分の2まで時間が経過をしている。なぜここまで時間がかかるのか。
【答弁】 区は、昭和40年代の高度成長を象徴する高島平の遺産、資源を大事にしながら、そのヘリテージを活用したまちづくりに取り組んできた。並行して、UDCTakの設立やその活動支援、プロムナードの再生に向けた基本構想の策定、多用途活用に向けた社会実験などを進め、まちづくりの機運醸成に時間をかけてきた。こうした中で、今後はUR都市機構が高島平団地の活用の方向性を示したことを好機と捉え、都市再生の実現に向けた戦略的な取組みを鋭意進めていきたいと考えている。
(6) 区有地活用や公共施設の再整備検討について
【質問】 高島平地域都市再生実施計画では、旧高七小の再整備の検討については、政策企画課を中心とした組織が跡地活用や再整備時の公共施設機能を検討するとあるが、都市整備部は、旧高七小周辺跡地の再整備について連携はするものの、主たる検討はしないということか。見解は。
【答弁】 都市整備部は、高島平地域グランドデザインについて、防災や福祉、環境など、幅広い視点からまちづくりの作業を進めていく中で、庁内組織の横断的なまとめ役として機能している。区有地活用や公共施設の再整備については、都市整備部と政策経営部が相互に連携をして進めていく。
(7) 高島平グランドデザインの進行管理を担う職員数について
【質問】 高島平グランドデザイン担当課長の下で、高島平グランドデザインの進行管理に直接関わる都市整備部の職員は何人いるのか。また、担当課長の指揮の下で業務に関わっている職員は、高島平グランドデザインの専任の職員なのか。他業務として、例えば板橋駅西口や上板橋駅南口駅前などの再開発事業を兼務しているのか。
【答弁】 高島平グランドデザイン担当課長の下で高島平地域のまちづくり推進に携わっている職員は、専任で2名である。また、高島平グランドデザイン担当課長が所属している拠点整備課はグループ制を導入しているため、専任の職員以外にも常時2、3名の職員が柔軟に対応し得る執行体制を取っている。
(8) 高島平グランドデザイン担当課長のライン課長化について
【質問】 指示系統は一本化すべきであるので、一つの正式な課として課長の下の係を明確に位置づけ、高島平グランドデザインを専任として担当するラインの課長を設置すべきと考えるが、見解は。
【答弁】 高島平グランドデザイン担当課については、今後の事業の進捗に合わせて組織の構成や在り方を検討し、柔軟に対応していきたいと考える。
(9) 高島平四・五丁目のまちづくり対応方針について
【質問】 高島平四丁目及び五丁目は、かつては閑静な住宅街として成熟してきたが、居住者の高齢化という問題が現れ始めている。特に令和元年度に問題となった郵便局の存続問題に端を発した商業施設が設置できないという地域課題は、大きな問題であると感じている。四丁目・五丁目に対する区のまちづくりの対応方針としては、どのようなことを検討しているのか。見解は。
【答弁】 高島平四丁目、五丁目につきましては、ほぼ全域が第一種低層住居専用地域となっており、商業施設の建築自体が制限されているなどの課題がある。策定中の都市再生実施計画においては、そのような課題に対する具体的な将来像を示す役割も担っており、今後、用途地域などの検討見直しも視野に入れ、道筋と具体的な将来像を示すことで、用途地域に関する権限を持つ東京都に対して働きかけていきたいと考えている。
(10) 高島平四・五丁目での対応の時間軸について
【質問】 この四丁目・五丁目地域の用途地域の変更なども視野に入れて検討するべきと考えているが、実はこの質問は、昨年の予算審査特別委員会の総括質問でほかの方から質問がなされている。その際の都市整備部長の答弁は、必要性について地元をはじめとする関係者と協議しながら慎重に検討し、対応していく必要がある、このような答弁であった。なぜ慎重に検討なのか。時間だけが経過をし、地域住民の平均年齢は着実に上がっている。積極的に手を打っていかないと、まちの活力が失われていくことは誰の目にも明らかである。なぜ慎重に検討しなければならないのか。対応方針の時間軸としてはどの程度の長さを考えているのか。私は直ちに対応するべき問題であると考えているが、区の認識は。
【答弁】 用途地域等の都市計画は、地権に制限を課すものであり、都市計画制度の安定性や厳格性を保つためにも慎重を期す必要がある。しかしながら、委員のご指摘のとおり、高齢化が進行する中で社会経済情勢の変化や土地利用の現況と動向に的確に対応していくべき検討のスピードを上げ、合理的で調和の取れた都市利用計画の実現を目指していく。
4  児童相談所について
(1) 児童相談所による事件を受けての見解
【質問】 札幌市の児童虐待死事件や、神戸市の児童追い返しなどの児童相談所の不手際はなぜ起こってしまうのか。区としての見解は。
【答弁】

児童更生保護を行う中で、扱う件数が多くあったり、扱う職員の資質などが異なることによる対応の違いによるものと認識している。

(2) 児童相談所の開設時期
【質問】 開設時期については、当初の予定通り令和3年度中で変更はないか。変更があれば理由を。
【答弁】

開設時期については、建物の竣工が令和4年1月の予定のため、令和3年度中としていたが、先行3区と東京都の確認作業の中で、都からの引き継ぎ期間が6カ月程度必要であるということが判明したため、令和4年7月に開設するスケジュールとした。なお、子ども家庭総合支援センターそのものの開設は令和4年4月として、行うことのできる業務を順次進めて行く。

(3) 新宿区、文京区、品川区の開設延期について
【質問】 他区では、開設時期を延期したが、その理由は。
【答弁】

報道などの情報では人材確保が困難であったと聞く。

(4) 開設当初の職員配置数について
【質問】 開設時の職員配置について、現段階での配置予定数は
【答弁】

児童福祉士40人、児童心理士20人、一時保護所の児童指導員・保育士37人、事務17人、保健師3人の常勤を考えており、状況に応じ見直しを行う。

(5) 弁護士、医師、保健師および一時保護所の非常勤職員について
【質問】 弁護士、医師、一時保護所の非常勤職員の業種と職はどのように想定しているか。
【答弁】

弁護士、医師は非常勤を想定しており、人員は業務内容の把握を踏まえ検討中。一時保護所には、医師、学習指導員、警察OBの配置を想定している。詳細については検討中である。

(6) 弁護士、医師、保健師の採用見込について
【質問】 弁護士、医師、保健師の採用見込みと、採用時期はどのように考えているか。
【答弁】

要保護児童対策協議会において、人材確保への協力を依頼している。関係機関との協議を進め、令和4年度の配置を想定している。

(7) 児童福祉司スーパーバイザーについて
【質問】 児童福祉師スーパーバイザーの採用予定数、採用見込み、職層をどのように考えるか。
【答弁】

児童福祉司スーパーバイザーの配置は7名を予定し、令和2年から3年度にかけ確保する予定。職層は募集時に提示する予定である。

(8) 介入と支援について
【質問】 改正児童福祉法では、「一時保護などの介入的対応を行う職員と保護者支援を行う職員を分ける等の措置を講ずるものとする」としているが、この規定は、特別区の児童相談所にも適用されるのか。
【答弁】

特別区設置の児童相談所においても規定は適応される。

(9) (仮称)子ども家庭総合支援センターの窓口について
【質問】 (仮称)子ども家庭総合支援センターは子ども家庭支援センター機能と、児童相談所機能を併せ持つものだが、介入する窓口と支援する窓口が同一施設であり、事故が起きる可能性が極めて高いとの見解もあるが、今後どのような体制をとるのか。見解を。
【答弁】

(仮称)子ども家庭総合支援センターのめざすところは「誰でも気軽に相談できる場」であり「専門職員が一つの建物に集まる」効果により一貫した切れ目ない支援に繋げるものである。このメリットを活かすためにも来所者の安心・安全とプライバシーを守るための配慮と工夫が必要になる。介入と支援の分離については当然認識しており、組織体制においては職務を明確に分けること、施設整備においては業務に応じた動線を確保するなど、対応を考えているところである。

(10) 人材確保のロードマップについて
【質問】 人材確保は児童相談所の円滑な業務執行の成否にとって最も重要かつ必要不可欠な要素であるが、現在までの職種別の人員確保数と、開設までの人材確保についてのロードマップをどのように考えるか。見解を。
【答弁】

令和2年度の派遣予定者を含め、これまでの児童相談所への派遣者数は児童福祉司21名、児童心理司7名、一時保健所12名、事務4名である。また、同年に児童相談所の係長職経験を持つ任期付き職員を2名採用予定である。令和3年度以降も職員派遣を継続するとともに、児童福祉司は任用資格を持つ職員の人事異動で対応するほか、経験者採用で確保し、児童心理司は新規採用および経験者採用で確保していく。

(11) 実務経験者の割合についてて
【質問】 一時保護所の配置職員も実務経験者を5割とするのか。児童福祉司の介入や臨検の実務経験の必要については、どう考えるか。そもそも、実務経験者が5割以上で十分な運営ができるとした判断理由は。
【答弁】

一時保護所については同様に、職員の派遣割合は5割で考えている。介入や臨検については、児童福祉司は派遣先の児童相談所において、実務を担うほか、派遣以外の区職員も特別区研修所で実施する「立入り・臨検」の実務者研修に参加しており、必要性を認識している。また、すでに実施している東京都児童相談所の児童福祉司および児童心理司の経験年数は、約半数が2年以下であることから、経験者の採用を併せて行うことで、実務経験者を増やしていく予 定である。

(12) (仮称)子ども家庭総合支援センターの組織体制について
【質問】 現在(仮称)子ども家庭総合支援センターの組織体制の具体案は考えているか。
【答弁】

具体的な組織のあり方は、今後東京都との協議などを踏まえ検討していくものだが、構想としては、所長を部長級として、子ども家庭支援センター機能、児童相談所機能、一時保護所機能を担う3課で構成する形を考えている。

(13) 部長の配置について
【質問】 開設準備には部長級の配置が必要であるが、区としてどう考えているのか。また、部長級となる児童相談所長となる人材をどのように確保するのか。
【答弁】

部長級の児童相談所長となる人材については、児童相談所長としての資格と経験がある人材を確保するため、令和3年度に任期付き採用を考えている。採用にあたっては、開設前から携わるよう計画しており、児童福祉司に精通し、板橋区の児童相談所の意義を理解し、同じ志を持つ人材を広く募っていく。

(14) 児童相談所開設準備課について
【質問】 令和2年度から、新たに新設されるが組織体制と職種別の人員体制についてどう考えているか。
【答弁】

新設される児童相談所開設準備課は事務職の課長ほか、計画推進係に事務職5名、運営準備係に事務職1名、福祉職1名、心理職1名の9名を配置予定である。運営準備係の事務と心理職については、児童相談所での経験が豊富な人材を係長級の任期付き職員として採用する。なお、自治体に長期派遣する福祉職、心理職、児童指導、保育士、事務の31名についても、開設準備課の配属となる。

(15) 設準備課長について
【質問】 児童相談所開設準備課長が事務職の場合、児童相談所開設時には準備に携わった管理職は誰も残らないと危惧している。子ども家庭部としてどのように考えているか。
【答弁】

(仮称)子ども家庭総合支援センターの管理職配置は、児童相談所長についてのみ資格要件はあるが、他は事務職の配置が可能である。また、開設準備課の運営準備係職員は、開設後も引き継ぎ業務を行うものとして配置している。子ども家庭部として、業務が円滑に継続できるよう組織運営についても考えている。

(16) 児童の措置先について
【質問】 児童養護施設などや里親については、東京都と特別区で広域利用するとされているが、その協議の進捗状況は。また、里親制度の啓発・リクルートを北児童相談所と共同実施していると聞いているが、その成果は。見解を。
【答弁】

児童養護施設などの広域利用の考え方としては、施設については東京都と特別区の双方で入所措置を可能とし、里親についても都内全体から選定することとなった。現段階での協議事項は、施設を都区双方で利用するための協定書の作成など、詳細な内容を詰めている。里親制度については、北児童相談所とともに里親、養育家庭普及のための啓発活動を行っており、里親登録数が増えていることからも一定の成果が出ていると考える。

(17) 政令指定について
【質問】 政令指定に向けた、現在の進捗状況は。
【答弁】

スケジュールとして、令和2年度は東京都との確認作業に入る予定であり、来年度全般の想定をしながらその準備を進めているところである。また、東京都との確認作業の実施に伴い、並行して国への政令指定の事前協議も行っていく。

(18) 財政支援の拡充について
【質問】 総務省が児童相談所を設置する地方自治体への財政支援を拡充するとの新聞報道があったが、国の財政支援の内容はどのようなものか。また、今後の区財政への影響はどの程度あるのか。
【答弁】

令和2年2月の厚生労働省通知では、「児童虐待防止対策の抜本的強化について」などに基づき、児童福祉司の増員、児童福祉司等の処遇改善に向けた、特殊勤務手当の増額、児童相談所および一時保護所の整備について財政措置の拡充がなされる予定である。この措置は、地方交付税の拡充により実施される予定であり、不交付団体である東京都は措置対象でない。なお、国の次世代育成支援対策推進法に基づく交付金については、板橋区においても一時保護所の施設整備費が交付対象となっており、令和2年より、交付基礎単価の増額や個室整備などによる加算措置の拡充などが予定されている。